将棋の第69期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)の挑戦者決定リーグ(王将リーグ)最終戦が19日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、藤井聡太七段(17)は広瀬章人竜王(32)に敗れ、史上最年少でのタイトル挑戦を逃した。
勝った広瀬竜王は王将戦初挑戦。来年1月から渡辺明王将(35)と七番勝負を戦う。
王将リーグは予選を勝ち抜いた3人とシードの4人の計7人による総当たり。藤井七段は1次予選で4連勝、2次予選で3連勝して初のリーグ入りを果たした。王将リーグの他の6人はいずれも名人挑戦権を争うA級順位戦に所属する格上棋士たちだったが、藤井七段は豊島将之名人(29)には敗れたものの、羽生善治九段(49)らに勝ち、広瀬竜王とともにトップの4勝1敗で最終戦を迎えた。勝った方がリーグ優勝して挑戦権を得るという戦いだった。
広瀬竜王とは2018年2月の朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の決勝で対戦。その時は藤井七段が勝って史上最年少(15歳6カ月)での棋戦優勝を果たした。2度目の対戦となった今回は、現在では珍しい相矢倉の戦型となり、先手番の藤井七段が仕掛けていったが、広瀬竜王に逆襲され劣勢に。粘り強く指し続けるうちに広瀬竜王にミスが出て逆転模様になったが、最後に藤井七段が受け間違えて自玉が詰んでしまった。
終局後、藤井七段は「最後は難しくなったかなと思ったが、時間がなかったのでわからなかった。最後に間違えてしまったのは残念だが、それが実力かなと思う。実力を高めていきたい」、広瀬竜王は「勘違いがあって、最後は負けにしてしまったかなと思っていた。最後は運が良かった。歴史ある王将戦で番勝負に出場することができて、うれしく思っている。渡辺さんとは何度も対戦しているが、タイトル戦の2日制は初めて。充実されている方だが、対策を立てていい勝負ができればなと思う」と話した。
タイトル挑戦の最年少記録は、屋敷伸之九段(47)が1989年に作った17歳10カ月。藤井七段が挑戦すれば17歳5カ月の新記録だった。
広瀬竜王はタイトルを通算2期獲得。昨年の竜王戦七番勝負で、タイトル獲得通算100期がかかっていた羽生竜王(当時)を相手に激闘を演じ、シリーズ4勝3敗でタイトルを奪取した。
対局後、広瀬竜王と藤井七段は記者の質問に答えた。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル