将棋の藤井聡太棋聖(18)が24日、東京都渋谷区の将棋会館で第33期竜王戦(読売新聞社主催)の決勝トーナメントの初戦に臨み、元名人の丸山忠久九段(49)に116手で敗れた。藤井棋聖は16日にタイトルを獲得してから初黒星で、今期の竜王位獲得の可能性はなくなった。
両者は初対戦。午前10時に始まった対局は、同じ局面が繰り返し出現する千日手(せんにちて)(引き分け)が午後3時43分に成立した。指し直し局は、丸山九段が得意とする「一手損角換わり」を採用。藤井棋聖の消費時間が丸山九段より2時間以上多い時間帯が続き、藤井棋聖は中盤で「1分将棋」になった。その後、巧みに攻めた丸山九段が押し切った。
対局後、藤井棋聖は「早い段階で形勢を損ねてしまって、苦しい展開が続いた。時間の面で不利だったが、そこは割り切って指そうと思った」、丸山九段は「いい攻めが見えなかったので、わからなかった。持ち時間がないと厳しいと思った」と話した。
丸山九段は名人2期、棋王1期の実績がある。健啖家(けんたんか)として知られ、この日の昼食では藤井棋聖が「肉豆腐弁当」を注文したのに対し、丸山九段は「肉豆腐弁当」に加えて「チキン南蛮弁当」も注文した。
藤井棋聖の次の対局は29日。第79期将棋名人戦・B級2組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)で、A級在籍経験がある鈴木大介九段(46)と対戦する。(村瀬信也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル