書いたこともない舞台の脚本を書こうと思った原動力は、憤りだった。多くの子どもが虐待で命を落としている。そのことへの憤りが机に向かわせた。
埼玉県坂戸市の佐藤和恵さん(71)は民生委員として10年以上、地域を見守ってきた。
数年ほど前から深夜に公園で遊ぶ子どもの姿を見かけることが増えた。そのことが気にかかっていた。
子どもたちに何が起きているのか――。児童相談所や児童養護施設へ視察を重ねた。
5年前、虐待で亡くなった子どものニュースを見て、いてもたってもいられなくなった。「子どもたちは虐待を受けるために生まれてくるわけじゃない」
その後2週間ほどで100ページ以上ある脚本を書き上げた。
施設で暮らす子が笑顔を取り戻す「ひまわりの家」
できあがった「ひまわりの家」は、虐待を受けたり、両親が育てられなくなったりした子どもたちが暮らす児童養護施設が舞台だ。施設で暮らす子どもたちが、施設の職員らと関わりながら笑顔を取り戻していく。
舞台はこんなイントロダクションで始まる。
「子どもたちの多くは虐待の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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