4歳の女児への傷害致死容疑で母親(42)が三重県警に逮捕された事件で、児童相談所は、AI(人工知能)の評価などをふまえ、一時保護ではなく家庭での見守りを続けていた。児相にAI判定システムを導入する動きは、国レベルで進む。三重県は、全国に先駆けて導入した「先進県」。何が足りていなかったのか。
亡くなった4歳児にあざ
女児は5月26日、搬送先の病院で死亡。病院から同日、虐待が疑われると児相に通告があった。女児をテーブルから床に落とすなどして死亡させた疑いで6月29日、母親が逮捕された。
県児童相談センターによると、昨年2月、女児の両耳とほおにあざがあると保育園から児相に通告があった。虐待によるものと判定できなかったことや、母親が指導に応じる姿勢があったことなどから、一時保護を見送り、定期的な見守りをする判断をした。その翌日、事後的にAI判定を使うと、保護率は39%と出た。
中沢和哉所長は、「80%を超えても保護しないケースもあれば、20%台でも保護しているケースもある。最終的な判断はAIではなく各児相の所長がしている」とした上で、「さらに高い確率が出れば判断を見直す可能性もあったかもしれない」と認める。
「保護率」どう計算?
AI判定は、何を元にしているのか。
同センターによると、システ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル