14日の衆参両院の議院運営委員会での主なやり取りは次の通り。
【緊急事態宣言の一部解除に向けた国会報告】
西村康稔経済再生担当相「政府と各都道府県が一丸となって対策を進め、国民にも協力いただき、感染拡大の防止に全力を尽くしてきた。その結果、感染の状況、医療提供態勢、監視態勢などを総合的に勘案すれば、一部の地域は緊急事態措置を実施する必要がなくなったと認められる。
本日、基本的対処方針等諮問委員会を開催し、緊急事態宣言を実施すべき期間を、引き続き5月31日までとした上で、緊急事態宣言を実施すべき区域を全都道府県から8都道府県に変更する案について、了解いただいた。政府としては、まずは今回の大きな流行を5月31日までに収束させるべく、引き続き、都道府県とも緊密に連携しながら、全力で取り組んでいく」
【解除の基準や目安】
武内則男氏(立憲民主)「感染が疑われる場合は2週間の経過観察が必要だ。大型連休の自粛要請に基づく感染状況を正確に分析するなら21日だ」
西村氏「新規感染者が過去2週間ゼロの県は12県、1週間ゼロも22県ある。21日頃に改めて(専門家に)評価してもらい、さらに感染者が少なくなっているところがあれば、またその段階で判断してもらう。医療の逼迫(ひっぱく)(ひっぱく)している状況も東京を含め、少し余裕が出てきている。重症者の数も減っており、総合的に判断した結果だ」
奥野総一郎氏(国民民主)「解除の基準について人口10万人あたり0.5人程度としているようだが、科学的根拠は」
西村氏「クラスター(感染者集団)対策が十分に実施できていた頃の水準ということで専門家に判断してもらっている。3月20日頃から急増しているので、その前の段階と理解している。それぞれの県で検査体制ができていることを確認している」
斎藤嘉隆氏(立民)「最初に緊急事態宣言を発令したのは4月7日だ。遅かったのではないか」
西村氏「諸外国では2、3日で感染者数が倍増していく状況が起こったが、日本は爆発的な感染拡大の兆しが出るときに専門家に指摘してもらって宣言を出し、新規感染者が減少傾向になった。タイミングは間違っていなかった」
山添拓氏(共産)「感染拡大が確認されれば再指定や再延長が必要となる場合もあると思うが、どう把握するか」
西村氏「最初に指定したときより厳しい目で見ながら、直近1週間の新規感染者の数、増えてきたときのスピードなどを総合的に判断していく。PCR検査の数や陽性率の低さなども見ていきたい」
【継続地域の解除】
下野六太氏(公明)「残る8都道府県の解除は」
西村氏「地域の感染状況、医療提供態勢、モニタリング(監視)態勢がしっかりできているか、総合的に判断していく。連休中の成果を評価できる21日頃を目途に、31日までの期間満了を待つことなく専門家に評価してもらい、適切に判断していきたい」
【解除地域の往来】
遠藤敬氏(日本維新の会)「宣言を継続する地域と解除する地域の往来に関しては、都道府県の判断に任せるのか」
西村氏「注意しながら経済活動も引き上げていかなくてはいけない。東京都や大阪府など宣言の対象地域が残るので、解除された地域との往来は自粛してもらう。解除された地域同士でも不要不急の往来は31日まではできるだけ自粛してもらう。政府の基本的対処方針で示したい」
【保健所のクラスター対策】
大塚高司氏(自民)「保健所が疲弊している。ITも活用して支援すべきだ」
西村氏「今、アプリの開発を行っており、今月中に導入できるよう検討を急いでいる。個人情報保護に配慮しながら(近距離無線通信の)ブルートゥースを使い、感染者が分かったら、その人の近くにいた人に連絡が行く。保健所のクラスター対策の負担軽減を図っていきたい」
【布マスクの配布】
森本真治氏(国民)「政府の布マスクの全世帯への配布だが、市場に多く出回っており、考え直した方がいい」
西村氏「世界保健機関(WHO)も布マスクについて評価し、国民の中でも理解が広がってきている。国民の不安の解消や増加しているマスク需要の抑制という観点から有効だ」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース