文・山野拓郎、写真・恵原弘太郎
都心から90分。神奈川県小田原市に、相模湾を一望できる無人駅がある。絶景を求めて、日の出前の駅に向かった。
1月末の早朝、ホームに降りた。朝日が空と水平線を朱色に染めていた。
神奈川県小田原市の根府川駅。JR東海道線の駅だ。駅舎は丘の上。ホームからだけではなく、跨線橋(こせんきょう)からも、駅舎の外からも海が見える。
小田原は相模湾に面し、「山よし海よし天気よし」と明治の文士斎藤緑雨(りょくう)に評された風光明媚(めいび)な土地柄。小田原市郷土文化館学芸員の田中里奈さん(38)によると、江戸城の石垣としても利用された「根府川石」の産地として知られる。険しい坂があり、海沿いを走る鉄道ができるまで、不便な土地だったという。「明治時代以降の鉄道の近代化は小田原の発展と切っても切れない」と説明する。
日の出の美しさは、クルーズトレイン「トランスイート四季島」のコースに組み込まれたほど。根府川駅は無人駅。管理する隣の真(まな)鶴(づる)駅長・赤沢聡さん(57)は「特に冬の時期は空気が澄んでおり、きれいな日の出を見ることができると思います」。
後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や、会員登録すると応募できるプレゼントもあります。今回のプレゼントは「小田原名物といえば」、の品々です。
それほど美しい海を眺められ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル