不登校やひきこもりの経験者など、生きづらさを抱える大人たちの学び場「雫穿大学」(TDU)が先月、設立された。 【映像】“ひきこもり“コロナで倍増? 当事者の苦悩とは 行政による、手に職をつけるための技術習得の支援や就職先の紹介は、かえって当事者の重圧になることもある。そんな問題意識から、それぞれにふさわしい働き方や生き方を模索する場を提供しようという試みだ。 これまでの人生や考えについて語り合う「生き方創造」や、世の中の基礎知識を学ぶ「基礎の学び」、映像制作やデザインなど、スタッフや外部講師などによる30講座が、毎日6コマほど開講されている。さらに学生が望む講座を開講しているのも特徴の一つで、中には、ボイストレーニングの講座も。「学校の音楽の授業がトラウマのような感じになっていて、人前で声を出すこと、歌うことなどが怖い、カラオケも怖いという感じだったが、ちょっとずつ(自分なりの声の出し方が)掴めている感じがする」(受講者)。
中学生時代に不登校を経験。フリースクールを経て、21歳の時に雫穿大学の前身の学び場に通い始めた豊雅俊さん(39)は、「不登校によって、“学ぶ”ということもできないという思いがあった」と振り返る。「自分には記憶力がない、バカだと思い込んでいたが、実はそうではなくて、これを覚えないとどう見られるかということを気にして覚えられないという緊張があった。それを解体することで、とても学びやすくなった」。 現在は仕事をしながら映像表現の勉強に取り組む豊さん。やりたいことがあるということ自体、あまり考えられなかったという。「自分のやりたいことがわかったという感じ」。
スタッフで社会学者の朝倉景樹氏は「“雫穿”(せんてつ)は非常に読みにくく、不評でもあるが、学生の思いがこもった名前だ。デモクラティック、エデュケーション、ワーキングという、自分と相手を大切にする学びや働きという言葉の頭文字を取ったら、デュウ(dew)、雫という言葉になった。雨だれ、雫などが岩を打ちつづけているうちに穴を穿ったり、何かの造形になったりする。そこから思いついた」と話す。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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