世界的な衣装デザイナーのワダエミ(本名和田惠美子〈わだ・えみこ〉)さんが13日に死去していたことが分かった。84歳だった。葬儀は近親者で営んだ。喪主は長男翼さん。
京都生まれ。京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)3年の時に結婚したNHKの故和田勉さんが演出した舞台「青い火」を機に、衣装デザイナーに。黒澤明監督の映画「乱」(1985年)で86年、米アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞した。
その後は勅使河原宏監督「利休」や大島渚監督「御法度」などの日本映画だけでなく、世界各地から依頼を受け、メイベル・チャン監督「宋家の三姉妹」、張芸謀監督「HERO」「LOVERS」、ピーター・グリーナウェイ監督「プロスペローの本」「ピーター・グリーナウェイの枕草子」など国内外の映画やオペラ、舞台などを数多く手がけ、エミー賞なども受賞した。
依頼を受けると脚本を読み込んだうえで、登場人物に合った生地選びや染色などにもこだわり、「技術を絶やしたくない。未来に残したい」「国や資本がどこであろうと、消えていきそうなものを伝えていきたい」と精力的に世界で仕事を続けた。中国の映画やドラマ、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場などの仕事でも、京都の職人に生地を織ってもらって進めたという。
最近はオダギリジョー監督「ある船頭の話」(2019年)のほか、アン・ホイ監督の中国映画「第一炉香」(20年)の衣装を手がけた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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