「レッスン室に連れ込まれレイプ直前までされた」「殴る蹴るの暴行を受け、撮影され、映画として公開された」――。美術や演劇、映像などの「表現」に関わる人たちに深刻なハラスメントが横行している実態が、24日に発表された現代美術のアーティストらの調査で明らかになった。作品制作や演技指導に絡むものなど表現の現場特有の被害がある。調査は今後も続け、必要な法改正などを求めていくという。
調査は、現代美術作家の笠原恵実子さんらが立ち上げた「表現の現場調査団」が、一般社団法人「社会調査支援機構チキラボ」(荻上チキ代表)の協力を得て昨年12月~今年1月、ウェブ上で実施。24日に結果を発表した。笠原さんは「ハラスメントを可視化する動きが社会全体で強くなり、ジェンダー・イクオリティ(平等)という言葉も頻繁に聞かれるようになってきた。そうした社会的な動きともリンクしている」と調査のきっかけを話す。
調査団の一人でアートユニット「キュンチョメ」のホンマエリさんは「表現の現場はハラスメントが非常に多いが、それが言いづらく、隠されてしまう環境にある」と指摘する。「表現というのは今までの価値観を疑い、更新してきたものであるにもかかわらず、ハラスメントがずっと横行する場所でいいのか。『仕方ない』とあきらめないためにもきちんと調査し、可視化して構造を変えていく動きをすることが必要だと思った」と言う。
調査に回答したのは1449人。女性が62%、男性が25%、その他は「回答しない」など。活動分野は「アート/美術」が約29%と多く、「演劇/パフォーマンス」が約16%「映像/映画」が約13%。
1449人のうち、過去10年以内に「(何らかの)ハラスメントを受けた経験がある」と答えたのは1195人。「セクハラ経験がある」は1161人、「パワハラ経験がある」は1298人、「ジェンダーハラスメント経験がある」が1042人いた。
具体的には、ヌードの現場での…
2種類
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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