福岡県田川市で1歳4カ月の三男をエアソフトガンで撃ってけがをさせ、重度の低栄養状態だったにもかかわらず必要な治療を受けさせずに死なせたとして両親が逮捕された事件で、三男が死亡するまでの2週間で十数回、自宅に置き去りにしていたことが、捜査関係者への取材でわかった。1回あたり数時間で、計50時間以上に及んだという。
福岡地検は19日、父親の建設業常慶(じょうけい)雅則(24)と母親の無職藍(あい)(24)の両容疑者=田川市伊加利=を保護責任者遺棄致死の罪で起訴し、雅則容疑者についてはエアソフトガンによる傷害罪でも起訴。2人の認否を明らかにしていない。
起訴状によると、2人は共謀し、三男の唯雅(ゆいが)ちゃんが昨年10月下旬に重度の低栄養状態になり、11月上旬に両腕5カ所や両足4カ所、胸1カ所の計10カ所を骨折し、同下旬までに肺感染症を起こしたにもかかわらず、医師の診察を受けさせなかったうえ、同30日までの2週間で計約50時間51分、自宅に置き去りにして、12月1日に肺感染症による急性呼吸不全で死なせたとされる。
また、雅則容疑者は昨年11月下旬、自宅で唯雅ちゃんにエアソフトガンでおもちゃの弾丸「BB弾」を数十発発射し、頭や顔のほか胸や腹、背中や腰、尻、腕や足に約3週間のけがを負わせたとされる。「パパが撃った」との長男の証言や「趣味で使っていた」との雅則容疑者の供述に基づき、エアガンを撃ったのは雅則容疑者と判断した。藍容疑者は「起訴に足りる証拠がなかった」として、傷害罪については不起訴処分とした。
福岡県警は、一家が暮らしていた団地の出入り口を映す防犯カメラの映像を捜査。捜査関係者によると、この映像から、死亡するまでの2週間で十数回、計約50時間51分間置き去りにしていた。この間、両親が仕事の時間に出かけたり、買い物袋を持って帰ったりしている様子が映っていた。唯雅ちゃんはずっと家におり、第三者の出入りもなかった。
この頃、唯雅ちゃんは肺感染症で高熱やせきの症状が出ていたとみられる。重度の低栄養状態で衰弱していたともみられ、死亡時の体重は約6キロで1歳児の平均の10キロを下回っていた。
県警は、こうした状況で唯雅ち…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル