被害女性の母「一生刑務所に」 15歳少年を検察官送致

 福岡市の商業施設で昨年8月、女性(21)が刺殺された事件で、鹿児島家裁(毛利友哉裁判長)は19日、殺人などの非行内容で送致されていた少年(15)の少年審判を開き、鹿児島地検に検察官送致(逆送)する決定を出した。鹿児島地検は今後、鹿児島地裁に起訴するかを判断する。福岡地検に移送して判断を委ねる可能性もある。起訴されれば、裁判員裁判で裁かれる見通しだ。

 少年審判はこの日午後に始まり、夕方に終了。遺族側の弁護士によると、遺族が傍聴し、意見陳述した。家裁は刑事処分が相当と判断した。決定の理由は20日以降に出すという。

 遺族側の弁護士は19日夕、報道各社に対し「事件の悪質重大性に鑑みて至極当然の決定であるとともに、遺族の意向に沿う決定であると評価している」とのコメントを発表した。一方、少年の弁護士側は朝日新聞の取材に「一切話せない」とした。

 少年は昨年8月、福岡市の商業施設「MARK(マーク) IS(イズ) 福岡ももち」で刃物を所持したとして銃刀法違反容疑で現行犯逮捕され、昨年9月、女性を殺害したとして殺人容疑で再逮捕された。福岡地検は少年の刑事責任能力の有無を見極めるため鑑定留置を実施した上で昨年12月、少年を殺人などの非行内容で福岡家裁に送致し、福岡家裁が鹿児島家裁に移送。鹿児島家裁が今月、少年審判の開始を決定していた。(横山翼、奥村智司)

 殺害された女性の母親は弁護士を通じてコメントを発表した。「犯人への憎しみ怒りがこみ上げて、私も、犯人に娘と同じ目にあわせたい。でもしてはいけないと、あの日からずっと苦しみ続けている」と胸中を明かした。少年については「一生刑務所に入っていてほしい」と訴えた。

 事件直後、対面した女性は冷たくなっていた。「たくさんの傷があり、あまりの惨(むご)さに涙が止まらなくなりました」。女性が産まれた日、兄が誕生をとび上がって喜んだこと。2歳の誕生日、ケーキをほおばりついて食べたこと。保育園の頃の作文に「おかあさんありがとう」と何度も書いたこと。「幼い姿がよみがえってきて涙が止まらなくなります」とつづった。

 女性は、渡米や資格取得など夢を書き連ねた「やりたいことノート」を作っていたという。母親は「これから今まで以上に成長をしていくはずでした」と悲しみ、少年は「刑事処分を受けるべきです。自分の罪を考えさせるべきです」とした。「21歳で命を奪われ、どんなに悔しいことでしょう。どんなに恐ろしかったでしょう。娘の命を奪った犯人が憎い」と記した。(横山翼)

 少年の祖父が、朝日新聞の取材…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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