「反抗が困難ではなかった」…新井被告の主張
2019年2月、強制性交等の罪で起訴された元俳優の新井浩文こと朴慶培(パクキョンベ)被告(40)。
新井被告は2018年7月、自宅マンションで出張マッサージ店の女性従業員を力ずくで押さえつけ性的暴行をしたとして、強制性交の罪に問われている。
9月2日、東京地裁で行われた初公判に、新井被告は上下黒いスーツ、黒いネクタイ姿で入廷した。
新井被告は冒頭、低く落ち着いた声で「まずは、被害者に謝罪の言葉を言いたいと思います。本当にすみませんでした」と頭を下げて謝罪したが、起訴内容については「暴力は一切やっていません」と否認した。
さらに、同日の公判では被害女性が証言し、事件当日の詳しいやりとりが明らかになったが…「直撃LIVEグッディ!」ではその様子を中継で伝えた。
広瀬修一フィールドキャスター:
9月2日は新井被告が出廷し、さらに被害女性も出廷。双方の主張には大きな隔たりがありました。まず、新井被告の主張です。
「あなたは起訴状に書いていることを認めるか」という質問に対して、新井被告側は「反抗を著しく困難にするような暴行ではありません」と無罪を主張。さらに弁護側の冒頭陳述では、女性は「ほぼ無言だったり小声だったり」したと話し、「女性の拒否の意思表明が小さかった」ということを主張していくとしました。
その後、被害女性が証言をしましたが、検察からの質問ではこれと全く逆のことを主張しています。
双方の主張に隔たり…示談金に関する新たな事実も
広瀬修一フィールドキャスター:
「ひざを押したり、腕を押したりして抵抗した」、「『触らないで』と言葉でも反抗した」、そして「ベッドに倒され、物のように扱われ逃げることはできなかった」。「物のように扱われ」という言葉に一番、力を込めていて、体だけでなく尊厳も踏みにじられたということを証言しました。
主張の隔たりが大きくある中、新井被告側はどのようにして無罪を主張したのだろうか。
広瀬修一フィールドキャスター:
新井被告の弁護側は被害女性に対して「記憶があいまいなのではないか」という質問を重ねていきました。「警察への供述調書になく、女性が2日の公判で話したことはあいまいなものである、当時はそのような抵抗はしていなかったのではないか」と弁護側は訴えていました。
ただ、犯行自体は2018年7月、そしてこの供述調書が作成されたのは11月。女性は当時のことを思い出したくない様子でしたし
さらに「男性警察官などにも話を聞かれて、答えたくなくて忘れていた部分もある」と話していました。そしてもう一つ、大きな情報が入ってきています。
逮捕後、新井被告側は示談金1000万円を提示しましたが、被害女性はこれを拒否。さらにそのあと、2000万円に増やし提示するも、被害女性はこれを再度拒否していたことが明らかになりました。
私はこれについて、女性の被害感情には峻烈なものがあり、人格をも踏みにじられたということに大きな怒りを感じているんだと思いました。
安藤優子キャスター:
人間、本当に怖い時って声出ないですよ。声が出なかった、小さかったから反抗しなかったと見なすというのは…私には理解できません。
遼河はるひ:
逃げなかったから、無言だったから合意だ、とはとても思い難いです。体の大きい男性に襲われたら、声をあげたら命の危険にさらされるかもしれないと思ったら、声を上げるのは難しいです。それで同意したと言われたら、本当にやりようがないですよ。
安藤優子キャスター:
被害女性に対して、記憶があいまいなんじゃないかという尋問があったようですが、新井被告も当時お酒が入っていましたよね。じゃあ新井被告の記憶はどうだったんだというところも、問題だと思います。これ以上、被害女性の心を傷つけないような裁判の展開を私は願います。
(「直撃LIVE グッディ!」)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース