能登半島地震から1カ月が経ち、学校が再開するなど少しずつ日常を取り戻しつつある被災地の子どもたち。ただ、心身の不調はこれから出てくるとも指摘されています。東日本大震災後に10年間、東北大学で「震災子ども支援室S―チル」を運営し、子どもや保護者を支援してきた加藤道代・東北大名誉教授(臨床心理学)は、子どもの気持ちを受け止める身近な大人の心のゆとりと、その大人を支援する仕組みが重要だと言います。
体験も受け止め方もそれぞれ違う
――震災により、子どもたちの心はどう揺れ動くのでしょうか。
震災体験は大きく分けて3種あります。地震や余震の揺れなど災害そのものによる体験▽転居、家族や友人との離別など災害後の生活変化の体験▽震災についての大人の反応を見聞きする体験です。この3要素が重なり合って、子どもたちの心身は影響を受けます。
子どもの場合、心の揺れ方やストレス反応の出方は年齢である程度傾向があります。ただ、体験内容もその受け止め方もひとくくりにできない個別のもの。時間の流れも人それぞれです。その子その子で違うというのを忘れてはいけません。
中高生は元気に見えても…
――東日本大震災の時はどうだったのでしょうか。
被害の状況が違うため一概に同じとは言えませんが、能登半島地震で被災した子どもたちに見られる様子と似ている部分もあると思います。
東日本大震災では、地震から…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル