最大震度7を観測した能登半島地震で安否不明者が多くなっている要因の一つに、通信障害で連絡がつかないことがあるとみられる。石川県内の一部では、電話やインターネットなどがつながりにくい状況が今も続く。全面復旧の時期が見通せないなか、通信各社は応急的な手当てを急いでいる。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯大手4社では、1日午後4時ごろから音声通話やデータ通信が利用できないか、利用しづらい状況が続いている。
通信障害の原因は、光ケーブルなどの設備の損傷や電波を届ける基地局の停電だ。総務省によると、電波を出せない基地局は5日午後3時45分時点で、4社合計で約660局に上る。
KDDIの高橋誠社長は5日、取材に「(交通渋滞などで)被災地にアプローチするのが大変。光回線が切れていて、基地局がなかなか回復できない」と話し、復旧が困難な状況を説明した。
復旧を進める一方、新たな通信障害も起きている。NTT西日本は、停電している被災地の通信設備で蓄電池や発電機などの非常用電源を使って通信機能を維持してきた。だが、輪島市や珠洲市の一部では蓄電していた電気が枯渇し、固定電話やインターネットなどの通信サービスが途絶えるエリアも出てきている。
通信障害が長引いていることから、松本剛明総務相は5日の省内の会議で「通信インフラは災害対応にとって大変重要。総務省が主導して必要な機材、燃料、人員の搬送を積極的に支援するなど速やかな復旧を進めてください」と指示した。
通信障害の解消に向け、通信各社は移動電源車や移動基地局車などを全国から集めているほか、KDDIは人工衛星による通信サービス「Starlink(スターリンク)」も活用して応急的な対応にあたっている。(松本真弥)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル