能登半島地震の被災地、石川県輪島市の工房でケーキを焼き続ける女性がいる。どんなにつらいことがあっても、誕生日や記念日は特別。「大変な時だからこそ、ほっと一息つけるケーキを届けたい」。そんな思いが込められている。
「ほんとうにケーキ売ってるんだ!」。2日午後、輪島市内に住む家族連れがホールのショートケーキを求めて来店した。この日は長男の2歳の誕生日だという。父の腕に抱えられた長男に「ろうそく、吹き消せるかな」「ケーキ気に入ってくれるかな」。そう子どもに語りかけながら、笑顔で帰って行った。
同市にある「ニューフルカワ」は、親子2代、約40年間にわたりパンやケーキを焼き続けてきた。直営店でケーキを担当する中貴余さん(48)は「甘すぎず、くどすぎない」父・古川豊さん(73)の生クリームの味を受け継いできた。
ケーキ作り再開にあった二つの出来事
今回の地震では工房内のオー…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル