記録的大雨の被災者を狙った犯罪の被害発生が懸念されている。不審な電話などの情報が寄せられていることもあり、佐賀県警は、浸水家屋の留守を狙った空き巣や、復旧手続きなどに関わる詐欺の被害発生を警戒。「少しでも不審に思うことがあれば相談してほしい」と呼び掛けている。
小城署によると、9日午後、小城市の70代男性の自宅に、災害対策の非営利団体職員を名乗る女性から「災害保険の手続きをしていない方に電話をしている」「罹(り)災証明の手続きをするように広報している」といった電話があったという。不審に思った男性が「警察と市役所に確認します」と告げると、一方的に電話が切られた。多久市の60代女性宅にも同日、同様の電話があったという。
県消費生活センターには佐賀市の被災者から相談があった。被災者は、自宅を訪ねてきた人から「水害にあって使えなくなった家具を引き取ります」と言われ、数万円単位の引き取り料金を請求されたという。
2016年の熊本地震では、住民が避難して無人となったアパートなどで現金や家電が盗まれる被害が熊本県内で発生。福祉団体や自治体職員を名乗る人物からの詐欺まがいの電話も相次いだ。
こうした被災地での被害を防ごうと、県警はLINE(ライン)で、偽電話詐欺や空き巣に注意するよう呼び掛けている。
浸水被害に遭った住宅地などをパトロールする動きも出ている。8、9両日には認定NPO法人の日本レスキュー協会(兵庫県)が武雄署員らとともに武雄市内を巡回。警備犬2匹を連れ、被害の大きかった朝日地区などで警戒に当たった。協会担当者は「今後も要請があれば警備犬を派遣したい」と話している。 (野村有希)
西日本新聞社
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