被爆2世に対する援護策について国の責任を問う訴訟の判決が12日、長崎地裁である。原爆で被爆した親を持つ2世への遺伝的影響の可能性、援護の必要性を司法がどう判断するのかが注目される。
「あなたにも影響があるかもしれない」
小学校高学年の頃、両親からそう言われたことを、箕田(みのだ)秀美さん(65)=長崎県長与町=は覚えている。
原爆が投下された時に福岡県内にいた父は、長崎市内のかつての勤務先に向かい、入市被爆した。母は、長崎市に隣接する現・長与町の自宅で被爆。2人とも被爆者援護法に基づく被爆者として認定されている。
父は、70歳で前立腺がんの診断を受け、5年ほど前に亡くなった。「あんたたちに危害がないといいけど……」と子どもへの影響を気にしていた。母は80歳で膀胱(ぼうこう)がんになり、いまも治療を続けている。
「2世」であることの不安をはっきりと自覚したのは23歳の時。第1子の長女を妊娠したが、切迫流産で3カ月入院した。原因はわからなかった。
生まれてきた娘は5歳の時…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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