村上友里 小山裕一 本間久志 田中美保
1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌さん(88)の裁判をやり直す「再審」開始を認めた東京高裁決定から、13日で1年を迎えた。再審公判で検察側が有罪主張を続ける中、弁護団長の西嶋勝彦弁護士が今年1月に82歳で亡くなった。数々の冤罪(えんざい)事件に捧げた半生を、「西嶋学校の生徒」らが引き継ぐ。
「なんとか袴田さんの死刑執行を食い止めたいと必死だった」。西嶋さんは昨年5月の取材で、90年に弁護団に加わった当時を振り返った。拘置所で面会した袴田さんはすでに拘禁反応で意思疎通が難しくなっていたという。
41年、福岡市生まれ。4男2女の四男で、長兄はシベリア抑留を経験し、次兄は駅で米軍の機銃掃射を受けて亡くなった。自身は養子に出され、奨学金を頼って上京した。中央大学を卒業し、労働事件や刑事弁護に関わりたいと65年に弁護士登録した。
「弁護士は正義の味方」
最初に働いた弁護士事務所に…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル