小山裕一 田中美保
心強い弁護士が戻ってきた。みそ製造会社専務一家4人を殺害したとして強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(87)の名誉回復をライフワークにしてきたが、体力や気力の限界を理由に長く弁護士を辞めていた。「弁護団の一員として再び力を尽くしたい」。無罪獲得を「弁護士人生最後の大仕事」と決め、主張・立証に心血を注ぐ。
「事件直後から始まった静岡県警の捏造(ねつぞう)が、徐々にエスカレートしていった」
2月14日の第8回再審公判で弁護側の冒頭陳述を担当した田中薫弁護士(77)は法廷で主張した。閉廷後の弁護団会見ではマイクを手にとり、専務宅の「裏木戸」を使った脱出方法をめぐり検察側が展開した主張に反論しながら、当時の捜査の在り方を強く批判した。昨年3月、9年ぶりに弁護団に復帰した田中さん。有罪立証を試みようとする検察側との対決姿勢を見せた。
袴田さん再審に関わって40年あまり
1980年12月に袴田さん…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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