1966年に静岡県のみそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(87)の裁判をやり直す再審で弁護団長を務めた弁護士の西嶋勝彦(にしじま・かつひこ)さんが7日、東京都内の病院で死去した。82歳だった。葬儀は近親者で営んだ。
41年に福岡市で生まれ、中央大学に進み、65年に弁護士登録した。夫を殺した罪に問われ、懲役刑が確定した女性が病死後に史上初めて死後再審になり、85年に無罪判決が言い渡された「徳島ラジオ商殺し事件」や、死刑が確定した後の再審で、89年に無罪になった「島田事件」などの弁護も担当した。
袴田さんの弁護団には90年に加わり、2004年から弁護団長を務めた。数年前から肺を患っていたが、弁護団を牽引(けんいん)し23年3月の再審開始決定にこぎ着けた。
弁護団事務局長の小川秀世弁護士は「判断が的確で重みがあった。議論が収拾つかなくなると『こういう判断で行く』と引っ張ってくれた。夏ごろには必ず無罪が出ると確信していたと思う」。
袴田さんの姉秀子さん(90)は「長い間お世話になった。ありがとうの言葉しかない。無罪を聞いてほしかった」と話した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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