製鉄所撤退の穴埋めか 日本製鉄、収入減る広島県に21億円支出へ

 広島県呉市日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区(日鉄呉)の閉鎖をめぐり、日本製鉄が広島県に対し、10年間で計21億円を支払う方針を固めたことがわかった。日鉄呉は県が運営する工業用水事業の大口契約先で、撤退に伴う収支悪化の「穴埋め」の意味合いもあるとみられる。

 複数の県関係者が朝日新聞の取材に明らかにした。19日に県議会で報告される見通しで、県は今月中にも、日鉄呉の撤退を踏まえた工業用水の新たな料金案を利用企業に提示する。

 日本製鉄広報センターは取材に対し、「自治体との個別の対応については回答を控えたい」とした。

 問題になっているのは広島市や呉市などに拠点がある6社が利用する太田川東部工業用水1期事業。日鉄呉の1日あたりの契約使用量は全体の6割を占めていた。

 日本製鉄は2020年2月、生産設備の大幅な合理化を発表した。日鉄呉は21年9月に高炉を止め、23年9月末に全面閉鎖する。

 県は日鉄呉の撤退を踏まえた工業用水の収支見通しを他の利用企業に提示した。31年度には1社あたりの負担額が約3倍になりうる内容で、企業側からは「残る企業が穴埋めするのは理屈に合わない」と反発の声が上がっていた。

 撤退する企業が自治体に対し…

この記事は有料会員記事です。残り350文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment