プラダの映像には、「THE SHOW THAT NEVER HAPPENED(決して起こらなかったショー)」という皮肉なタイトルがついていた。
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内容は、モデルがショーのようにウォーキングはするものの、それぞれ物語性のある五つの章に映像が分かれている。それらの微妙なイメージが相互に影響しあって、緊張感のある、完成度の高い作品となった。
映像は世界各国の映像作家らが担当。たとえば、第1章は、レトロなモノクロ調の画面。細身の黒いスーツ姿の男女モデルが、うつろな表情でただただ歩く。次第に画面がゆがんで、過去と現在、未来が交錯するような感覚に。
機械室のような空間にユニホーム調の服がずらり並ぶ章や、劇場風の客席を背景に1960年代調のジオメトリックなドレスが映える章なども。
デザインはスポーティーで極めてシンプル。ナイロンやタフタ、襟の形がトロンプルイユのスーツなどプラダがこれまで得意としてきた軽い素材やテクニックが多い。
ブランドの資料によると「時代がますます複雑になるにつれて、服はわかりやすく、気取らず、生活や行動のための道具になる」という。(編集委員・高橋牧子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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