和歌山市の選挙演説会場で岸田文雄首相の近くに爆発物が投げ込まれた事件で、兵庫県川西市の無職木村隆二容疑者(24)=威力業務妨害容疑で逮捕=の自宅そばの防犯カメラに、事件当日の朝、木村容疑者とよく似た人物が映っていたことが近隣住民への取材で分かった。和歌山県警もこの映像を把握しており、容疑者が演説会場への経路を事前に調べた上で、自宅からバスで近くの駅に向かい、大阪経由で和歌山市に入ったとみている。
近隣住民によると、防犯カメラには、15日午前7時50分ごろ、黒い傘をさして歩く男が映っていた。傘で顔は隠れていたが、グレーのリュックを背負い、ベージュっぽい長ズボンと白いストライプが入った黒いスニーカーをはいていた。事件現場で取り押さえられた時の木村容疑者の服装と酷似していたという。
この住民は容疑者の母親と親しく、カメラの人物が木村容疑者だと思ったという。カメラの男は、近くにあるバス停に向かっていたとみられるという。
木村容疑者の自宅そばには、阪急川西能勢口駅とJR川西池田駅行きのバス停がある。容疑者は午前8時前後のバスに乗った可能性が高い。いずれかの駅から和歌山市に向かうには、大阪梅田駅やJR大阪駅で電車を乗り継ぎ、南海本線を使うルートなどがある。
捜査関係者によると、午前10時ごろ、木村容疑者とみられる男が南海電鉄和歌山市駅の改札を出る姿が防犯カメラに映っていた。容疑者は同37分ごろ、駅から演説会場の雑賀崎(さいかざき)漁港近くに向かうバスに乗車したとみられる。同11時17~18分ごろには、会場近くの複数の防犯カメラが容疑者とみられる男を捉えていた。
事件は同27分に起きた。県警は事件後、容疑者の手提げかばんから刃物も押収。容疑者は爆発物と刃物を持って公共交通機関を乗り継いだ可能性がある。
県警は木村容疑者の自宅からスマートフォンやパソコンなどを押収しており、首相日程を把握した経緯や計画性の有無についても調べている。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル