西九州新幹線が23日に開業した。佐賀県の武雄温泉駅と長崎駅を結ぶ全長66キロの独立した区間で、新幹線としては実質的に最短となる。在来線を乗り継ぐ博多―長崎は、いまより最速で30分短縮されて1時間20分となる。地元では開業イベントが開かれ、観光活性化への期待が高まる。
一方で、建設費は着工時の想定より2割増の6197億円までふくらんだ。新幹線ネットワークとの接続のめども立っていない。
JR九州はこの日、正式に運行を始めた。新幹線として一番列車となる「かもめ2号」が午前6時17分に長崎駅を出発した。武雄温泉―長崎は最速23分で、1日44本の新幹線が運行する。間には佐賀県の嬉野温泉、長崎県の新大村、諫早の駅がある。
九州の自治体や経済界は観光客の増加を期待している。JTBの担当者は「コロナ禍で様々なイベントが中止になり、九州の観光はこれまで厳しかった。短い区間であっても新幹線の開業は、旅行需要の拡大につながる」という。
建設費の大半は国と長崎県や佐賀県などが負担する。JR九州は30年間で計153億円の「貸付料」を国側に支払う。
国の整備計画ができたのは1…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル