鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)のグループ元代表(87)が元農林水産相の吉川貴盛衆院議員(70)=自民=に現金500万円を提供した疑惑で、元代表が元農水相で内閣官房参与の西川公也氏(77)にも現金数百万円を提供した疑いのあることが8日、関係者への取材で分かった。疑惑を捜査している東京地検特捜部も把握しているとみられ、現金の趣旨や参与の権限などを慎重に捜査しているもようだ。 内閣官房は同日付で西川氏が退職したと発表。加藤勝信官房長官は同日の記者会見で、西川氏から参与辞任の申し出があったと明らかにし、理由は「一身上の都合」と説明した。 関係者によると、元代表は西川氏に対して平成30年以降、複数回にわたり現金計数百万円を手渡していた疑いがある。西川氏は10月末、産経新聞の取材に「(アキタ社との関係は)一点の疑念もないと思っている」と話していた。 西川氏は今年7月3日、元代表からクルーザーで元農水官僚らとともに接待されていたことが判明している。関係者によると、アキタ社の顧問も務め、元代表を別の政治家に紹介するなどしていたという。 西川氏は8年の衆院選で初当選し6期務めた。26年に農水相に就任したが、国から補助金交付決定の通知を受けて1年以内の企業から不正に献金を受けていたことなどが発覚し、わずか5カ月で辞任。29年10月の衆院選で落選後、農水族の重鎮としての経験などを買われ、安倍晋三前首相から翌11月に非常勤の国家公務員である内閣官房参与に任命された。 関係者によると、元代表は吉川氏が農水相在任中の30年10月~昨年9月、大臣室などで3回にわたり現金計500万円を渡したほか、複数の政治家らに現金を渡していた疑いがあるという。
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