西日本の電力需要が冬季過去最大に 業界、節電呼びかけ

 寒波で電力消費が全国的に急増し、3連休明けの12日に一層の需給逼迫(ひっぱく)の恐れがあるとして、電力業界は節電を急きょ訴え始めた。法令に基づくものでなく自主的な対応で数値目標などはないが、生活に支障ない範囲で協力を求めている。

 大手10社でつくる電気事業連合会は10日夜、沖縄を除く全国の家庭や企業などへ呼びかけ、各地の電力会社も個別に訴え始めた。暖房などはこれまで通り使い続けたうえで、照明やその他の機器の使用を控えるように協力を求めている。

 昨年末以降の厳しい寒さで、関西・中国・九州エリアで7~8日に冬季過去最大の需要を記録。悪天候による太陽光の発電量低下の影響などもあるという。停電を防ぐため、需給の調整役である国の電力広域的運営推進機関は非常災害対応本部を6日に立ち上げた。大手電力間での広域融通を指示。昨年末からの関西・東京エリア向けに加え、6日以降は東北・北陸・中国・四国・九州エリア向けも含め100回以上出した。東京・関西・北陸・中国・九州の各エリアの発電会社などには15日まで最大出力での運転を求める指示も出した。ここ数日は特に西日本での発電能力不足が顕著で、中部から関西側へ送電する連系線の運用容量を増やした。

 電力各社は建設中の発電所を試運転させたり、火力発電所で通常の出力以上に発電したり、企業の自家発電からの融通を要請したりと、発電能力拡大を進めている。しかし、古い火力発電所の故障が心配されるほか、火力発電の利用が増えて燃料となる液化天然ガスの在庫が不足するリスクも高まっている。(桜井林太郎)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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