警察庁の露木康浩長官は22日の定例の記者会見で、都道府県警がつくる要人警護計画案を、警察庁が11月末までの3カ月間で計約1千件審査したことを明らかにした。同庁による審査は安倍晋三元首相銃撃事件をうけて導入された新たな仕組み。同庁によると、審査した計画案の多くで何らかの修正を指示したという。
要人警護は都道府県警が担う。従来、計画案を警察庁が事前に把握するのは、大規模な行事に伴う場合や海外からの要人などの警護に限られていた。しかし、7月8日に奈良市で安倍氏が銃撃された事件を教訓に、警察庁は警護の運用方法などを定めた警護要則を全面的に改正し、8月26日から実施。すべての警護について都道府県警が計画案を事前に警察庁に提出し、警察庁が内容を審査する制度に変わった。
露木氏はこの日の会見で、「安倍元首相銃撃事件の発生を許してしまい、日本警察にとって痛恨の極みだった」と振り返った。事件当時、警察庁次長だった露木氏は警護警備の検証と再発防止策をまとめる作業を指揮。「徹底した検証と反省の上に立たなければ、いつかまた同じような事態が起こるという強い危機感をもって作業に従事した」と述べた。(編集委員・吉田伸八)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル