見えない障害と生きる…息子は“発達障害” 母親を救った夫の一言「それでもいいじゃん かわいいから」(東海テレビ)

東海テレビ

 自閉症、アスペルガー症候群などの発達障害は、15人に1人いると言われています。

「わがまま」、「ちょっと困った人」、「変わった人」など障害の種類や程度が様々で、それが症状なのか、個人の性格なのか分かりにくく、「見えない障害」と言われています。

 青山惺太くん(6)。発達障害のひとつ、自閉スペクトラム症です。

 人懐っこい惺太くん…しかしこだわりが強く、騒音や雑音が苦手です。外に出るときは必ず音を遮るイヤーマフを付けます。

母親の青山さん:
「せいちゃんこっち置いていい?」

惺太くん:
「ダメ!ダメダ~メ!」

 毎日決まったルーティンがあったり同じものばかりを好むのも、発達障害の特徴です。

青山さん:
「惺太くん、ゆでたまご食べる?」

惺太くん:「食べる」

青山さん:「ハムは?」

惺太くん:「食べるよ」

 朝ごはんは、いつもハムやゆで卵と決まっています。

青山さん:
「こちらが栄養バランスとか考えても、食べたくないものは食べないんですよね。こちらが気を利かせてつくって食べなかったときに、朝ごはん食べないってことになっちゃうから、とにかく食べ慣れてるものを…」

 ウチの子はちょっと変わっているかも…。そう思い始めたのは0歳のころ。2歳ぐらいになると、覚えかけていた言葉が、徐々に出なくなっていました。自閉スペクトラム症と診断されたのは3歳のころでした。

青山さん:
「プラスチックに対して喋ってるような、コミュニケーションの取り方が一切わからないようなときがあったので、コミュニケーションがとれない相手を育てていくっていうのは、やっぱりすごく落ち込みますね」

 当時は会社勤めをしながら子育てをしていた青山さん。心身ともに追い詰められていた彼女を救ったのはこんな言葉でした。「惺太はかわいい」。

青山さん:
「主人が楽観的だった。『それでもいいじゃん、かわいいから』っていう感じで。私が『惺太が自閉症かも』ってなっているときに、『自閉症でもいいじゃん、かわいいもん』って言っていて」

青山さんの夫:
「いろんな方もそうだと思うんですけど、やっぱり自閉症だと診断されて落ち込むときはあると思うんですけど、逆に私はあまりなくて、別にかわいがればいいかなっていう感じで。自分のとりえが多分あると思うので、私たちが見逃さないようにと、そこはちょっと見ながらやっていきたい」

 前回の取材から4か月…。惺太くんは成長していました。

青山さん:
「じゃあ、おしっこしよう、1回。出ると思うよ、なんかそんな感じ」

惺太くん:
「かっか(お母さん)来ないで」

青山さん:
「いかない、いかない」

 ひとりでトイレに行けるようになりました。ここまで来るのに3年半かかりました。

青山さん:
「やってみて一番ピンときたのが、できたら褒めるっていう。そしたらそこからスッと入ったんですよね。だから褒められてうれしいっていう気持ちがわかったのかな」

 学校へ行くため、毎朝車で送ってもらう惺太くん。通るのは、決まって静かな田舎道…。

青山さん:
「もっとメインの道があるんですけど、刺激が少ないほうがいいかなと思って。大体刺激的ですからね、彼らがこの世界に生きてると」

 次の目標は、みんなと同じスクールバスで学校に通うこと。

青山さん:
「障害の度合いとか、タイプとか、みんな違うからなんとも言えないんですけど、でもうれしいことはいっぱいあるよってのは伝えたいです。大変なこともすごくやっぱりいっぱいあるんですけど、うれしいこともその分、いっぱいある、数は少ないですけど。ただその嬉しさが、私はすごい。彼なりに毎年成長してってるから。発達障害の子が生きていきやすい世の中は、みんなにとってもやさしい世の中だと思います」

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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