見つけた星に母の名を付けた 93歳コメットハンターが語る星の魅力

 コメット(彗星、すいせい)ハンターとして世界的に知られるアマチュア天文家の関勉さん(93)=高知市。彗星だけでなく小惑星も見つけ続け、今年は223個目に名前をつけた。星降る夜を幾度も過ごした関さんに星との付き合い方を尋ねた。

 ――彗星や小惑星の探索を始めたきっかけは

 戦後直後、高校生の時、世界に先駆け、日本人が新彗星を見つけたと聞きました。本田彗星(1947年発見)。発見者の本田実さん(1913~1990)の名が彗星の名となって世界に伝わる。敗戦でみんな自信を失っていた時に、初めて未来に希望が持てました。

 当時は天体望遠鏡もなく、彗星が何なのかも知らない。でも、この思いを本田さんに伝えたい。

 手紙を書くと返事が届き、文章の最後に「関彗星の発見に期待しております」と書かれていました。その後も手紙をかわし、本田さんはただ1人の彗星探しの恩師です。

自信と見る目 育てた11年

 ――最初の関彗星は1961年に発見しました

 1950年ごろ、自宅の屋根に台座をつくり、夜晴れれば、跳び起きて自作のコメットシーカー(彗星を探す天体望遠鏡)をのぞく。

 1955年には独学で始めたギターの教室を開き、昼はギター、夜は彗星探し。

 でも、彗星はいっこうに見つからず、それでやめると今度は張り合いがなくなり、また始めるの繰り返しでした。

 やがて「はるか遠くに目標の…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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