おでかけ関西 ちょっとウラ話
ご当地ものの買い物を楽しみ、ふだん見ることのできない工程を解説付きで見学する、と聞いて思い浮かぶのは工場見学? いえいえ、奈良県天理市にオープンしたばかりの施設では、古都ならではの裏側を見せるツアーを開催。人気を博している。
県が3月21日に開設した「なら歴史芸術文化村」(天理市)が、連日にぎわっている。奈良市の観光名所・奈良公園から、まっすぐ南へ車で約30分の郊外。なぜ、こんなに人が集まってくるのか。ツアーに参加して秘密を探ってみた。
施設名を聞いて、「深呼吸をしながら、ゆったりと時が過ごせる場所」という牧歌的なイメージを抱いていた。だから、初めて訪れた際、駐車場(80台収容)に入りきれない車が列をなし、警備員さんが少し離れた臨時駐車場へ行くよう誘導している光景に、まず驚かされた。
だが、確かに文化村は歴史や文化、豊かな自然が実感できる素晴らしいロケーションだ。奈良盆地を見渡せる高台に位置し、すぐ南側にある大きなため池と小高い山々が見事な景観を生み出している。文化村の周りには、南北に延びる日本最古の道「山の辺の道」や、前方後円墳の西乗鞍(のりくら)古墳(全長約118メートル、5世紀末)、東乗鞍古墳(同約75メートル、6世紀前半)もある。
文化村(約2・9ヘクタール)は、奈良らしい和風モダンなデザインの4棟で構成され、回廊のような屋根付きの通路でつながっている。「『なぜ?』が芽生える。『知る』を楽しむ。」というコンセプトは、「文化財修復・展示棟」で納得できた。ここは、発掘された遺物や仏像など各分野の文化財を修復する四つの工房があり、ガラス越しに技術者たちの作業を見ることができるのが特徴だ。
1階は「考古遺物」と「建造物」。地下1階には「絵画・書跡等」と「仏像等彫刻」の各修復工房がある。それぞれ担当機関が違い、民間企業も入っている。解体された神社の建物の一部、何体もの仏像などが目の前に並び、バックヤードを特別に見せてもらっているような感動を覚えた。とはいえ、単に見るだけで知識欲は満たされない。
見学ツアー、休館日除き毎日実施
参加したのは、文化財の奥深さを知ってもらう「修復工房見学ツアー」(約40分、無料)。休館日を除く毎日午後2時半に実施している。学芸員が各工房を巡りながら工程などを説明してくれるという。
にぎわいのひけつとは
記事後半では、さらなる付加価値でにぎわいを生み出している秘密を紹介します。会員登録すると応募できるプレゼントもあります(24日締め切り)。
この日の担当学芸員は吉田綾…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment