見慣れぬ字、消えた「公式サイト」 洋服通販トラブル増

 インターネット通販をめぐるトラブル相談が、今年は増加している。国民生活センターによると、22日現在で25万2343件と昨年同時期比で1・3倍に。うち洋服についての相談は1万2115件とほぼ倍に達した。新型コロナウイルスの感染拡大で「巣ごもり需要」が増える中、商品が届かないなど詐欺的なケースもあり、同センターが注意を呼びかけている。

 同センターによると、「緊急事態宣言」後の5月、ネットでの洋服購入についての相談は前月の倍近い1803件。翌6月には2096件に達した。相談を受けた事例の契約者は、女性が8割弱を占める。年代別では40代が最多で3割弱、30代と50代は2割。内訳を見ると、業者との「連絡不能」(5160件、複数回答可)や「商品未着」(4305件、同)は前年同時期比で倍以上増えた。

 具体的には、バナー広告を見て海外業者に洋服と靴を注文し、約1万円をクレジットカード決済したが商品が届かず、メールでの返信もない(4月、関東の60代女性)。服と靴を注文し、約1万2千円をカード決済したが商品が届かず、ホームページの電話番号にかけると、「新型コロナのため対応しておりません」とアナウンスが流れるだけ(5月、九州の50代女性)――、といった相談が寄せられた。

 7~9月はトラブルが減少傾向にあったが、冬物シーズンを迎えた10月から再び増加。関西の20代男性は今月、SNSの広告を見て注文した服が色もサイズも注文と違い、送付状にあった電話番号にかけたが、つながらなかった。センターの担当者は「慣れている人はそのサイトが怪しそうかチェックしている。不慣れな人がトラブルに巻き込まれやすい」と指摘する。(市原研吾、後藤泰良)

詐欺に使われた口座? 残金はわずか500円

 ネット通販を利用した経験がなかったという大阪市のアパレル店員の女性(22)は10月、実在するアウトレットモールの公式通販をうたうサイトで、ブランド品のコートを9万8500円で注文したと取材に話した。「ちょうど買いに行こうと思っていたら『公式サイト』を見つけて、コロナだし、通販でいいかなと思って」

 注文は銀行振り込みで、振込先の名義は個人名だったが、「利用したことがないから『そういうもんか』と思った」。注文時の確認メールには、「入金確認後2日以内に発送し、発送後3~5日で商品が届く」旨の説明が書かれていた。

 だが、商品は届かず、問い合わ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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