見方を変えたら、砂浜はアートになった 美術館のない町が始めた挑戦

 太平洋に面した砂浜に杭を打ち、ロープを張る。洗濯物を干すようにTシャツを並べる。それだけで毎日見慣れた砂浜が世界でも類を見ない美術館に生まれ変わる。人口1万人ほどの小さな町で35年続く「Tシャツアート展」がゴールデンウィークの5月2~7日に開かれる。主催するNPO法人「砂浜美術館」事務局長の山本あやみさん(40)に、人気の秘密を聞いた。

 ――今年もTシャツアート展の季節になりましたね

 高知県黒潮町の海岸に1千枚のTシャツを並べます。300メートルほどの砂浜で白いTシャツがヒラヒラ、ヒラヒラと舞うんです。壮観やと思いますよ。

 全体の風景を一つの作品として見て欲しいし、Tシャツの1枚1枚にも注目して欲しい。全国から募集したデザインを印刷しているんです。写真もありやし絵もありやし。なんでもいいんです。書道の書が来たこともあります。1点1点にストーリーがあって、1個1個がキャンバスなんです。

 ――キャッチフレーズが印象的です

 《私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です。》 Tシャツアート展を発案したデザイナーの梅原真さんが考えました。砂浜美術館にとって永遠のコンセプトです。

 ここにくれば、その瞬間にし…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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