規格満たしたテニスコートでけが、都が上乗せ600万円支払いで和解

 東京都立高校で開かれたテニス大会で校舎のコンクリート壁に激突して大けがをした元生徒の男性が、都に損害賠償を求めた訴訟は20日、東京高裁で和解が成立した。都が、昨年3月の一審・東京地裁判決で命じられた賠償額約423万円を上回る600万円を支払うなどの内容という。

 都が事故が起きたことに遺憾の意を表し、今後、都立学校の部活動での安全対策や、各競技の特性を踏まえた留意事項などについて周知を徹底し、事故の未然防止に取り組むことを約束する内容も盛り込まれた。

 都教育委員会の担当者は取材に「引き続き事故の未然防止に取り組みたい」とコメントした。

地裁「予見できた」 そのわけは

 一審判決などによると、事故は2011年7月にあった「都立対抗テニス大会」で起きた。別の学校から参加した男性は、試合中にボールを追いかけた際、勢いあまってコート後方の校舎のコンクリート壁に激突。前歯2本が抜ける大けがをし、救急搬送された。

 訴訟で都側は「日本体育施設協会」(当時)の規格を満たしたコートだったなどと反論したが、地裁は、校舎は規格基準からわずか0・2メートル先に位置し、校舎のきわにはコンクリート地面や排水溝のふたもあった点を重視。「テニス部の教員や公式大会の主催者なら、衝突は具体的に予見できた」と判断し、「学校にはコートの使用を避けるか、少なくとも壁に防護マットを置くべき注意義務があった」と判断していた。田中恭太

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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