福岡県警が覚醒剤密売の疑いで暴力団幹部の自宅を家宅捜索。ところが、なかなか覚醒剤が見つからない。窓を開けた捜査員が、ある痕跡に気がついた。それをたどると、雨どいの中から――。
県警は22日、覚醒剤を密売したとして、指定暴力団・工藤会系組幹部の木村道直容疑者(57)=北九州市八幡東区春の町3丁目=らを覚醒剤取締法違反などの容疑で逮捕、福岡地検小倉支部に送検し捜査を終えたと発表した。容疑をおおむね認めているという。自宅の雨どいに約380万円相当の覚醒剤が隠されていた。
薬物銃器対策課によると、木村容疑者は6月24日、北九州市八幡東区で、覚醒剤約2グラムを長崎市内の男宛てに宅配便で送ったほか、昨年11月~6月に福岡、香川、長崎など6県の客に密売したなどとして、計7回逮捕された。客14人が覚醒剤の譲り受けの容疑などで逮捕、知人の女も木村容疑者と共謀した疑いで逮捕された。
県警は、木村容疑者宅で覚醒剤約62・8グラム(末端価格約378万円)、未使用の注射器や計量器、売り上げとみられる現金約160万円などを押収した。工藤会の組織的関与は判明していないという。
家宅捜索では室内から覚醒剤が見つからなかったが、部屋の窓を開けた捜査員が、裏手の家の擁壁に足場のような跡を発見。よじ登って容疑者宅の雨どいのふたを外すと、食品保存容器3箱に覚醒剤がポリ袋計80個に小分けにされているのが見つかったという。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル