中山直樹
覚醒剤約1・9キロを2月に海外から福岡空港に持ち込んだとして、覚醒剤取締法違反などの罪に問われたインド人の男性(72)の裁判員裁判で、福岡地裁(冨田敦史裁判長)は15日、無罪(求刑懲役10年罰金400万円)を言い渡した。
男性は2月7日、韓国発の飛行機に搭乗し、福岡空港まで覚醒剤が入ったスーツケースを持ち込んだとして起訴されていた。
男性はネット上の見知らぬ人物から日本への荷物の運搬を依頼され、インドを出国しカタールでスーツケースを受け取ったという。男性側は、違法なものが隠されているかもしれないという疑惑はあったが、中継地の韓国の空港で中身を入念に確認しており、密輸の故意はなかったと主張していた。
検察側は、男性は事件前にも複数回に渡ってネット上の人物に依頼されてインド―南アフリカ間などで荷物を運び、不自然な額の報酬を受け取っていたことなどから、スーツケースの中に違法な物が入っている認識があったはずだと指摘していた。
判決は、男性が一度スーツケースの中身を点検して、覚醒剤を見つけられなかったことなどから「(入国時まで)違法なものが隠されているかもしれないという疑いを持ち続けていたとは認められない」と指摘し、「覚醒剤輸入の故意を認めるには合理的な疑いが残る」とした。(中山直樹)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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