熊本県の天草沖で船を使って密輸したとみられる覚醒剤約600キロが見つかり、福岡県警や税関、海上保安庁などの合同捜査本部が押収していたことが12日、捜査関係者への取材で分かった。県警が一度に押収した覚醒剤の量としては過去最大規模。末端価格は360億円相当とみられる。
県警などは11日、船内で覚醒剤を所持していたとして覚せい剤取締法違反容疑で3人を現行犯逮捕。ほか5人も密輸に関わったとして同法違反容疑で逮捕した。この8人は外国人と日本人で、大半は台湾人。台湾ルートでの密輸とみられる。このほかの数人についても12日に同法違反容疑で逮捕する方針。大規模な国際的密輸組織が関わっている可能性が高いとみて、組織の実態解明を進める。
捜査関係者によると、海外から別の船で運ばれてきた覚醒剤を海上で移し替える「瀬取り」と呼ばれる方法を使ったとみられる。
県警による過去の大量押収は1999年に鹿児島県笠沙町(現南さつま市)の黒瀬海岸で摘発した約564キロが最多。2008年には北九州市・門司港で、シエラレオネ船籍の貨物船から約299キロを押収した。
全国では今年6月、静岡県下田沖で1トンを押収したのが最大とみられる。警視庁などが、営利目的で覚醒剤を所持したとして同法違反容疑で20~40代の中国籍の男7人を逮捕した。
16年6月には、沖縄・那覇港に停泊中のヨットから覚醒剤約597キロが押収され、ヨットに乗っていた台湾人の男女6人が同法違反(営利目的輸入未遂)容疑で逮捕された。
海上や港を除く陸上では、名古屋市内の倉庫で昨年10月に覚醒剤約340キロが押収されたのが過去最大規模とみられる。
警察庁によると、全国の警察が18年に押収した覚醒剤は計約1138・6キロで、3年連続で1トンを超えた。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース