親が、極端な教義を持つ宗教や陰謀論にはまったとき、一緒に暮らす子どもの苦悩は深い。逃げ出したいという思いと、親をすててはいけないという「家族教」のはざまでどうすればいいのか。社会に求められているものは。家族の問題に詳しい公認心理師の信田さよ子さんに聞いた。(聞き手・喜園尚史)
いわゆる宗教2世は、親が信仰している宗教の被害者であると同時に、「家族教」の被害者でもあります。親の陰謀論やDVなどに苦しむのも仕組みは同じです。親の思いや愛情を疑ってはいけない、子どもは親を大切にすべきだといった日本社会に根づいた「親子愛」というイデオロギーの犠牲者ともいえます。
宗教であれ、極端な陰謀論であれ、自分の信じることは正しいし、子どもを幸せにすることだと親は考えています。外からは暴力的と思われる言動も、家族の中では親が「正しい」のです。一方で子どもは、教義や持論を押しつけてくる親から離れたいという思いと、親に背くことへの罪悪感の板挟みに苦しみます。
親の問題は親しい友人でも言…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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