観光客が増え過ぎて、住民生活に負の影響が出る「オーバーツーリズム(観光公害)」。紅葉の見頃が近づいた京都市でも官民挙げて様々な取り組みを進める。だが、観光振興と市民生活の両立は容易ではなく、抜本的な対策を求める声が上がっている。(日比野容子)
「うわさに聞いていた以上」
「収容能力を超えたため、一時受付業務を見合わせていただきます」。今月12日、JR京都駅前の手荷物預かり所には、こんな看板が掲げられていた。千葉市から訪れた会社員の女性(30)は「うわさに聞いていた以上の混雑ですね」と驚いた様子。観光する前に、手荷物を置きに宿に向かうことにしたという。
京都市のオーバーツーリズムの象徴が、市バスの混雑だ。大型荷物を持った観光客で常に混み合い、地域住民が利用できない事態になっている。特に京都駅から清水寺のある東山方面に向かうバスは混み、行楽シーズンには2~3台見送らないと乗れないことも少なくない。
遠く離れた東京駅で「地下鉄がおすすめ!」
そこで、京都市が力を入れるのが、市バスから地下鉄への乗客シフト。それも、京都に到着する前の観光客に向けて周知する作戦だ。旅の予定は出発前に練ることが多いため、先んじて手を打とうという狙いがある。
JR東京駅八重洲口にデジタ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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