藤田大道、福田祥史、荻原千明
東京五輪のほとんどの競技が無観客となる中、カシマスタジアム(茨城県鹿嶋市)へ22日、地元の小学生たちがサッカー男子の試合観戦に訪れた。ただコロナ対策のため、観戦が認められたのは一部の学校のみ。多くの子どもの望みはかなえられなかった。
韓国―ニュージーランド戦。ゴール裏のスタンドでは、体操服にマスク姿の子どもたちが一つおきに着席した。両国の国旗の小旗を振ったり、小さな手をたたいたり。ゴール前で激しい競り合いや豪快なシュートが出ると、「きゃー」「がんばれー」とマスク越しに歓声をあげ、試合を盛り上げた。決勝点を決めたニュージーランドのクリス・ウッド選手(29)は「空席が多かったが、子どもたちの応援が力になった。きょうここにいてくれて良かった」と話した。
鹿嶋市立三笠小6年の曽ケ端輝(てる)さん(12)は自分でハングル文字を調べて「頑張れ」と書き込んだうちわを振った。
父は鹿島アントラーズでGKとして活躍し、昨シーズンで引退した準(ひとし)さん。2004年のアテネ五輪日本代表にはオーバーエージ枠で選ばれた。だが生まれる前のことで、当時の動画や写真もほとんど見たことがないという。試合後「ピッチが近くて迫力があった。代表選手はすごかった」と目を輝かせた。
同小6年の吉田愛莉さん(12)は、カシマスタジアムでサッカーの試合を5回ほど見たことがある。「小さい声で応援しながらどんどん引き込まれていった」と笑顔を見せた。
コロナ禍で、毎年7月のピアノの発表会は2年連続で中止となり、友達と遊びに行くのも我慢してきた。試合観戦に「久々にみんなで行けてとても楽しかった」と語った。
ただ、五輪期間中に茨城県内で観戦できるのは、学校連携観戦チケットを持つ鹿嶋市、つくばみらい市などの23校の約4千人に限られる。22日は、このうち約1千人が観戦した。
「テレビでしか見られなくな…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル