川嶋かえ
東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、東京地裁は27日、大会組織委員会の元理事に対する贈賄罪で起訴された出版大手「KADOKAWA」の元会長・角川歴彦(つぐひこ)被告(79)の保釈を認める決定を出した。保釈保証金は2億円で、角川元会長は現金納付した。
東京地検は同日、決定を不服として準抗告したが、地裁の別の裁判官らが退けた。角川元会長は昨年9月の逮捕以来、約7カ月ぶりに保釈される見通しだ。
角川元会長は一貫して起訴内容を否認し、勾留が続いていた。元会長側は今月18日に4回目の保釈請求をしていた。地裁は、公判前整理手続きで争点整理が進んだことなどを考慮し、保釈を認めたとみられる。
起訴状などによると、角川元会長は2016~18年、組織委元理事の高橋治之被告(79)=受託収賄罪で起訴=にスポンサーへの選定などを依頼。19年にスポンサーに決まると、元理事の知人が経営するコンサル会社に、同年から21年にかけて計約6900万円の賄賂を送金したとされる。
KADOKAWAでは、元専務の芳原世幸被告(65)と元五輪担当室長の馬庭教二被告(63)も贈賄罪で起訴されている。馬庭元室長は今年3月の初公判で起訴内容を認めた。角川元会長と芳原元専務の初公判の日程は決まっていない。(川嶋かえ)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル