山田佳奈 藤山圭、小川裕介
新型コロナウイルス対応のまん延防止等重点措置の期間が終了した福岡県で12日、飲食店の酒類提供や営業時間の制限が約3カ月ぶりに解除された。福岡名物の屋台にも久しぶりに明かりが戻った。ただ、人流増加は感染再拡大につながるとして県は警戒する。一方、沖縄県は宣言再延長となり、苦難の日々はさらに続く。
福岡・天神の屋台「博多っ子純情屋台 喜柳(きりゅう)」は12日夜、2カ月ぶりに営業を再開した。経営者の迎敬之(むかえたかゆき)さん(46)は「全開で店を開けられて本当にうれしい」と話す。
1人客でも仲良く飲める雰囲気が好きで屋台の仕事に就いたという迎さんにとって、休業は苦渋の決断だった。この間、新メニューの開発に取り組んできたが、夜には屋台で客に酒を出す夢を何度も見た。
再開できても心配は尽きない。お盆の時期は書き入れ時だが「福岡でもまた感染者が増えるのではないか」。4月からの時短営業への協力金も届いていない。迎さんは「屋台をやめるつもりはないが、先が見えないのは不安。ワクチン接種を進め、感染拡大、休業要請の繰り返しを止めてほしい」と話す。
福岡市によると、市内に約100軒ある屋台のうち、緊急事態宣言期間中に営業していたのは3軒ほど。重点措置に切り替わっても10軒に満たなかったという。
中洲の屋台「わっぜか」は緊急事態宣言中、酒の提供をやめて時短営業を続けてきた。経営する上赤(かみあか)鴻志郎さん(30)は「緊急事態宣言中、お客さんがゼロの日もあった。重点措置期間中は10組に届くかどうかだった」と振り返る。
通常営業に戻り、「今日からまた頑張ります」。静岡県から旅行で訪れた女性の親子は「川からの風が気持ちよく、屋台は楽しい」と話していた。
天神のなじみの屋台に飲みに…
この記事は
残り:1126文字/全文:1873文字
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment