9月下旬のある日、記者の元に一本の電話がかかってきた。「おめでとうございます。川柳コンクールで入賞したので表彰式に来てもらえますか」
三重県警は特殊詐欺の被害を防ごうと、県民共済と共に川柳コンクールを初めて開催した。
コンクールの存在を知ったのは6月下旬。コンクールの募集記事を書こうと、県警生活安全企画課の担当者のもとを訪ねた。1次選考を通過した作品は、本名がわからないように県警担当者や地元川柳協会の会長などが審査するという。「記者さんもぜひ応募してよ」。そんな一言がきっかけで川柳を考えることにした。
ただ、川柳は小学生の頃に授業で作ったきり。たった17文字の中に伝えたいことを詰め込むのは困難だった。仕事で取材した特殊詐欺の手口などを考えながら、移動中や空いた時間に指を折って言葉をひねり出した。締め切り間際の8月下旬、3句を提出した。雅号はまったくの初心者という意味を込めて「川柳ビギナー」にした。まさか受賞するとは思わず、電話をもらったときの第一声は「本当ですか」。
入賞した句は「渡さない お金…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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