文と写真・新井義顕
星形の窓からのぞく景色は、京都中心部の町並み。かつては五山送り火も見えたという。新聞記者は、ここを拠点に特ダネを追い、町へ飛び出していった。
地下へ向かう急な階段は真ん中がすり減ったモザイク模様。店へ続く扉はきしきしと音を立てる。未知に出会う期待と不安を抱きたどり着いたカフェ「アンデパンダン」。昼でも薄暗い。店の中ほどに、しっくいがはがれコンクリートがむき出しの太い柱が並ぶ様子は、忘れられた神殿のようだ。
カフェがあるのは、建築年にちなみ名付けられた「1928ビル」。かつて、毎日新聞京都支局だった。3階建てのビルには今、劇場やギャラリーが入る。1999年に支局が移転。取り壊しの話もあったが、建築家と芸術家らの手で改修が行われ、再生した。
毎日新聞社長室によると、地下には建設当時、食堂や理髪店があった。80年代は夜勤の記者用のシャワー室が置かれ、90年代には、地下水が染み出し「廃(はい)虚(きょ)」となった。湿度が高かったため、支局長がワイン置き場にしていた時もあるという。
「建物も内装も、美術館と同じくらい価値がある。だからこそ不必要に手を加えずに再生したのでしょう」。オーナーの髙尚赫(こうしょうかく)さん(55)は話す。
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屋上に上る階段にある星形の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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