「21年以上の獄中生活も、振り返ると、とても短かったようにすら感じられます」
今年1月、記者の元に1枚の年賀状が届いた。差出人は「重信房子」とある。1970年代を中心に、世界中でさまざまなテロ事件を起こした過激派グループ「日本赤軍」の元最高幹部だ。
年賀状には「命をつなぎ出所出来そうです」とも書かれていた。5月28日、76歳になった重信受刑者が懲役20年の刑を終えて出所する。
いまだ逃亡中のメンバーへの影響など、重信受刑者の出所後の動向は捜査当局が注視する。日本赤軍は自ら解散を宣言しているが、過去の数々の事件に対してどんな思いでいるのか。記者は、逮捕から20年の節目にあたる2020年秋から関係者らへの取材を進めてきた。
便箋にびっしり並べた文字
同年11月、重信受刑者の近況を取材した記者に対し、弁護人を務めた大谷恭子弁護士から、大谷弁護士に宛てた便箋(びんせん)7枚の手紙の写しを受け取った。
そこにはびっしりと小さな文字が並んでいた。
手紙ではまず、大阪で逮捕さ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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