日本原子力発電の敦賀原発2号機(福井県)で、再稼働に向けた審査資料の地層の調査記録が書き換えられた問題で、原電は19日、原子力規制委員会に対し、「書き換えてはいけないという認識がなかった」などとする社内調査の結果を報告した。書き換えは現場の担当者らの判断で、経営層は説明を受けていなかったとしている。
同原発では、原子炉建屋直下を走る断層が審査の焦点になっている。動く可能性がある活断層と判断されれば廃炉になるため、原電は審査で活断層ではないと主張してきた。
原電によると、2017年2月ごろ、社内の担当グループの責任者やメンバー数人と調査会社で、ボーリング調査の記述を別の調査結果に上書きする方針を決定。断層が動いた可能性を否定する記述に改めるなど、計80カ所を書き換えた。当時の上司2人や担当役員は事情を知らなかったという。「(担当者らは)修正して提出しても良いと考えていた」と説明した。
昨年2月、規制委の指摘で書き換えが発覚。規制委は原電に経緯の説明や原因究明を求めるとともに、昨年末以降、都内の原電本店に立ち入り検査を計6回行うなどして調べている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル