昨年7月の参院選をめぐり、公職選挙法違反(買収)の罪に問われた参院議員の河井案里被告(47)の公判が5日、東京地裁であった。検察側の証人として出廷した広島県江田島市の胡子(えびす)雅信市議(50)は現金10万円を受け取ったことを認め、「表に出せない金だと思った」と述べた。
起訴状によると、案里議員が、夫で元法相の衆院議員・克行被告(57)と共謀して現金計170万円を渡したとされるのは、胡子氏を含め広島県議ら5人。この日で5人全員の証人尋問が終わった。
胡子氏の証言によると、胡子氏の父親が昨年6月に主催したカラオケ大会に、案里議員が参加。その際、案里議員の公設秘書が「先生からです」と言って現金入り封筒を渡してきた。胡子氏は「先生」について、夫妻のどちらか、あるいは両方を指すと考えたという。「案里議員を知ってもらう場を提供したお礼かと思ったが、金額が大きく票のとりまとめと思った」と語った。
これまでの公判で、県議ら5人は現金受領を認めた。このうち4人は趣旨について、検察側の主張する「票のとりまとめ」を明確に証言している。岡崎哲夫県議(65)は「県議選の当選祝いと思ったが、参院選も頭をよぎった」と説明した。
案里議員の公判では、現金受領を断った県議らの尋問が予定されている。克行議員の公判は弁護人が解任され中断している。(新屋絵理、松島研人)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル