大和証券社員の勧めで行った金融商品の取引で多額の損失を被ったとして、埼玉県の60代の主婦が同社に約4269万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は15日、社員の対応の一部に問題があったとして、約1899万円の支払いを同社に命じた。
この取引は、有価証券を担保にお金を借りる「証券担保ローン」による投資で、原告代理人によると、そうした投資の被害を巡る判決は初めてという。判決について大和証券は「個別案件のコメントは差し控える」(広報)としている。
判決によると、主婦は2013年、親からの相続で現金が必要となり、株などの売却を検討したが、社員に相談した結果、その証券を担保にお金を借りる「証券担保ローン」を利用。その後、このローンを投資資金にも活用し始めた。借金で買った投資信託などをさらに担保にして、計9640万円を借りた。
16年までの約3年間で、仕組み債や投資信託など46銘柄の売買を繰り返し、すべての金融資産を失った。
主婦はなぜ1億円も借りて投資を繰り返したのか。こうした取引は信用取引にあたらないのか。記事後半では、主婦本人や代理人弁護士への取材も紹介しています。
武部知子裁判長は、主婦が投資の仕組みやリスクに関する知識はあったとしたが、担保価値が大きく下がった際、証券の売却で全額返済を希望する主婦に対し、社員が「意思を変更させて、取引を継続するように誘導している」と認定。社員には全額返済を否定しないという注意義務違反があったと結論づけた。
この訴訟では、担保価値が変…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル