評価のきっかけは熊本地震 薬の商家「吉田松花堂」が国重文指定へ

 幕末から続く伝統薬の製造・販売元である吉田松花堂(しょうかどう、熊本市中央区)の建物と土地が24日、国の重要文化財に指定される見通しになった。これまで文化財に指定されたことはなく、「無冠」からいきなり国宝に次ぐ地位に昇る。きっかけは、熊本地震後の専門家による調査だった。

 吉田松花堂は、現在の長崎県諫早市出身の初代吉田順碩(じゅんせき)が江戸後期の天保年間に熊本城下の新町に移り住んで創業。オランダ医学を日本にもたらしたシーボルトの弟子で、生薬から「諸毒消丸」を作って売り出した。胃腸を整え、息切れやめまいにも効くと県外でも評判を呼び、日露戦争や第2次世界大戦では兵士の携行薬として売れたという。

 建物は1877(明治10)年の西南戦争で焼け落ちた後、順次再建。文化審議会が重文にふさわしいと答申したのは、主屋(おもや)や書院、茶室など9棟と、庭園がある土地だ。

 熊本市文化財課によると、こ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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