「良かったね、合格してたよ。おめでとう」
3月4日、千葉県の公立高校入試の合格発表日。インフルエンザで寝込んでいた千葉市立中学3年の望月一希さん(15)に父秀敬さん(48)が声をかけた。
想定より自己採点の点数が低く、志望校への進学を諦めかけていたところだった。
「最初は冗談かと思った。合格できたのは皆さんのおかげです」
15歳の少年が周囲に心から感謝の思いを抱くのには理由があった。
勉強の楽しさを知った担任の提案
望月さんには、脳性まひによる手足の障害がある。手に力が入りにくく、文字を書くのに時間がかかる。読字障害もあり、文章を読むのが苦手。吃音(きつおん)もある。
公立小学校の普通学級に通い、3年生で担任からタブレット端末で黒板を撮影することを提案された。
授業中にノートに書き写す時間が大幅に改善され、授業に集中できるようになり、「勉強の楽しさがわかった」。
公立中学校の普通学級に進学すると、読解力が問われる試験や記述量も増えた。望月さんから相談を受けた学校側は、解答時間を計測し、定期テストで別室受験や代筆、試験時間の1・5倍延長も認めた。
高校進学に向けて準備を始めた望月さんでしたが、私立高校から受け入れを断られました。そこで志望は公立高校一本に。ところが、今度は「前例の壁」が立ちはだかります。その中で合格を勝ち取った望月さんが伝えたいこととは。
望月さんは同級生と同じよう…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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