寺田実穂子
認知症で判断力が低下した高齢者に電気やガスの契約をさせたとして、消費者庁は11日、訪問販売を行っていた新電力会社など3社に対し、特定商取引法違反で6カ月の業務停止命令を出し、発表した。
3社は、CDエナジーダイレクト(東京都中央区)、3Backs(渋谷区)、ライフデザイン(同区桜丘町)。中部電力と大阪ガスが合同で出資して設立したCDエナジーダイレクトは、2社に営業を委託し、首都圏で訪問販売を行っていた。
消費者庁によると、3社は共同して、遅くとも2021年9月以降、アルツハイマー型認知症の診断を受けている高齢者の自宅を訪問し、判断力が不足していることにつけこんで契約させた。家族などの周囲の人が、従来の契約先からCDエナジーダイレクトに切り替わっていたことに気づいたという。
また、訪問販売時に勧誘目的であることを告げなかったり、相手が断っているのに再勧誘したりもした。
消費者庁によると、全国の消費生活センターなどには、CDエナジーダイレクトに関する相談が2020年度からの3年間で295件寄せられているという。
同社はホームページ上で、「不適切な営業行為の発生原因を検証するとともに再発防止策を策定し、順次実施しております」などとするコメントを掲載した。(寺田実穂子)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル